「説明的文章」とは、筆者の意見が、あらゆる証拠や根拠をもとに、論理的に述べられている文章のことです。
文学的文章の小説は、人が作った架空の物語であるのに対して、「説明的文章」は現実世界での内容になります。
説明文が扱うテーマの把握
説明文は、記述しているテーマについて、対比構造で説明しているものが多いです。
例えば、以下のような構造になっているものがよく出題されます。
- 日本 と 海外
- 今・現代 と 昔・過去
- 科学技術や人間生活 と 自然
これらを比べる中で、筆者はどのようなことが分かったか、筆者はどのように思ったのかが述べられています。
例えば、「日本では小学生でもひとりで歩いて学校に通学するが、海外では小学生がひとりで外を出歩くことが危険でできない地域もある」のようなテーマです。
これは日本と海外の対比構造となっています。
そして、本文読解の問題はその部分から出題される場合が多いです。
まずは、説明文がテーマとしている内容を把握する方法として、対比構造を意識しながら読み進めましょう。
指示語は常に確認する
説明文を読解する中で、最も注意を払うことは、本文中の指示語は何を示しているかをしっかりと把握しながら読み進めることです。
指示語とは、「これ・あれ・それ」や「この・あの・その」といった前述した内容を繰り返さないための言葉です。
指示語の内容を示す文や言葉は、その指示語の前にあることが多いです。
本文中に出てきた指示語は、問題に出題されているものでなくても常に確認するようにしましょう。
また、指示語が示す内容を本文から見つけてきても、本当に正しいのか分からなくなってしまったときは、探してきた内容を指示語に置き換えて、文脈が正確に通じるかを確認しましょう。
特に説明文の読解では、指示語の内容を見つける問題も頻繁に出題されます。
こういった問題も、この方法で対応することができます。
接続語を正しく読み取る
説明文を読解していく上で、接続語は意識して読み進めましょう。
その接続語を正しく読み取るだけで、その段落や文章にはどんな内容が書かれれいるかを把握することができます。
また、正しい接続語を選択する問題も頻出です。
接続語を正しく把握することは、段落や文章の内容を正確に把握することにも繋がります。
代表的な接続語とその使い方を紹介するので、参考にしてください。
順接
- だから
- それで
- すると
前述文に続いて、その原因や理由を後述文に書くときに使う接続詞のことです。
例えば、「ノートを買い忘れた。だから、今日は宿題ができない。」といった使い方になります。
「ノートを買い忘れた。」が前述文で、その理由を後述するために、「だから」という接続語を使って、文章全体の内容を繋げています。
逆接
- しかし
- ところが
- だが
前述文とは反対の内容を後述文に書くときに使う接続詞のことです。
例えば、「天気予報は雨だった。しかし、今日はよく晴れた。」といった使い方になります。
「天気予報は雨だった。」が前述文で、その真逆の内容の「晴れた」を後述するために、「しかし」という接続語を使って、文章全体の内容を繋げています。
説明・補足
- つまり
- たとえば
- ただし
前述文の内容に説明を追加したり補足したりする内容を後述文に書くときに使う接続詞のことです。
例えば、「次の数学のテストには1~3年までの計算問題が出題される。つまり、テスト勉強で1~3年の内容を復習しなければならないということだ。」といった使い方になります。
「次の数学のテストには1~3年までの計算問題が出題される。」が前述文で、その内容を補足する「テスト勉強で1~3年の内容を復習しなければならない」を後述するために、「つまり」という接続語を使って、文章全体の内容を繋げています。
並列・累加
- そして
- さらに
- また
前述文と同じような内容を後述文に書いたり、並べたりするときに使う接続詞のことです。
例えば、「ぼくは8時に起きました。そして、そのまま二度寝しました。」といった使い方になります。
「ぼくは8時に起きました。」が前述文で、同じような内容の「二度寝」を後述するために、「そして」という接続語を使って、文章全体の内容を繋げています。
対比・選択
- または
- それとも
- あるいは
前述文の内容と後述文の内容を比べたり、選択するときに使う接続詞のことです。
例えば、「スプラトゥーン3をプレイするには、パッケージ版を購入してください。または。オンラインからダウンロード版を購入しても結構です。」といった使い方になります。
パッケージ版とダウンロード版を対比して選択している文章全体の内容を繋げています。
転換
- さて
- では
- ところで
前述文と全く話題を変えた内容を後述文に書くときに使う接続詞のことです。
例えば、「今日の授業は長く感じたね。ところで、昨日買った漫画は面白かった?」といった使い方になります。
「今日の授業は長く感じたね。」が前述文で、全く関係ない内容を後述するために、「ところで」という接続語を使って、文章全体の内容を繋げています。
説明文いは、このような接続語が使用されていることが多いです。
接続語の種類の名前までは覚える必要はありませんが、こういった接続語は、文中の内容把握のヒントとなります。
接続語に注意しながら読み進める練習をしておきましょう。
説明文・論説文の構造
説明文は、起承転結で書かれています。説明文における起承転結は、以下のような内容になります。
説明文の起:問題提起
説明文では、まず最初に筆者の考える問題について投げかけられているように書かれています。
ここの内容を把握することで、文章全体が何をテーマにして書かれているかを正確に知ることができます。
説明文の承:具体例
問題提起した内容を具体例を交えて説明します。
ここの内容を把握することで、文章全体のテーマをより具体的に知ることができます。
説明文の転:反対意見
筆者が論じている意見に対する反対の意見や比較対象、あるいは筆者自身の体験などを交えて述べられています。
ここの内容を把握することで、筆者が提起している意見についてのメリットやデメリットなどを合わせて深く知ることができます。
説明文の結:結論
筆者の意見の結論が述べられています。
説明文を読解するときは、文章が起承転結の構造をしていることを意識しながら読み進めましょう。
また、説明文では要点ごとに段落分けされています。
したがって、段落ひとつひとつに設定されている要点を把握して、それぞれの段落が起承転結のどの役割に属しているかを判断しながら読み進めていくことが重要となります。
段落にはそれぞれの役割があり、筆者にはその段落を記載した理由が必ずあります。
そこを理解しながら、筆者は何を伝えたいのか、筆者の意見にはどのような根拠があるのかなどを紐解きながら、説明文を読解してみましょう。
そして、全体的に内容が把握できるようになったら、問題も必ず解くことができるようになります。
まずは、読解して、内容を正確に把握する練習をしていきましょう。
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