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大問6 仕事(配点11点)

定滑車と動滑車について

まず最初に、問題文に出てくる定滑車と動滑車についてのおさらいです。

定滑車とは、滑車の軸が天井や壁に固定されているもので、糸を引っ張っても滑車自体は移動しないものことです。

定滑車の特徴は、糸を引く力の方向を変えるものであることです。
動滑車とは違い、糸を引く力の大きさは変わらず、糸を引く距離も変わりません

一方、動滑車は、軸は固定されておらず、糸を引っ張ると滑車自体も上下に移動するもののことです。

動滑車の特徴は、糸を引く力は持ち上げる物体の重さの半分になり、糸を引く距離は2倍になることです。
定滑車とは違い、糸を引く力の方向は変わりません。

<定滑車>

  • 糸を引く方向 反対に変わる
  • 糸を引く力の大きさ 変わらない
  • 糸を引く距離 変わらない

<動滑車>

  • 糸を引く方向 変わらない
  • 糸を引く力の大きさ 半分になる
  • 糸を引く距離 2倍になる

(1) エネルギーと仕事の計算

①は、エネルギーついての基礎知識の選択問題です。
エネルギーには、物体同士が触れ合っていることではたらく力と離れていてもはたらく力があります。

弾性力と垂直抗力は触れている物体に対して働くエネルギーです。

②は、仕事の計算問題です。
仕事の計算は、下記の公式を使います。

仕事 [ J ] = 力の大きさ [ N ] × 力の向きに動いた距離 [ m ]

定滑車では、荷物を持ち上げるために必要な力の大きさと動いた距離は一定なので、そのまま数字を代入して計算しましょう。
なお、力の大きさは、100 gは1 Nなので、3 kgの荷物を動かすのに必要な力の大きさは30 Nです。

仕事 [ J ] = 30 [ N ] × 0.8 [ m ]
仕事 [ J ] =24 [ J ]

(1) 解答と配点

①:ア , ウ
②:24 J

配点 ①:1点、②:2点

(2) 仕事の原理

(2)は、複数の動滑車を使った時に必要な力の大きさと糸を引く距離の関係についての知識問題です。
問題文が長くて読むのが大変ですが聞かれている内容はシンプルなので、しっかりと問題文を読解して解きましょう。

前述したように、動滑車を挟んで荷物を持ち上げる場合、必要な力の大きさは半分になり、糸を引く距離は2倍になります。

したがって、動滑車を3つ挟んだ装置では、糸を引く力は1/8倍になり、糸を引く距離は8倍です。

また、動滑車を使った装置でも、糸を引くてがした仕事の大きさは一定です。
ちなみに、荷物を持ち上げる力が小さくなる分、引っ張る糸の長さが大きくなり、荷物を持ち上げるためにする仕事の量は変わらないことを「仕事の原理」と言います。

(2) 解答と配点

あ:1/8
い:8
う:1

配点 2点(あ〜う完答)

(3) 斜面を下る台車の運動

(3)は、斜面を下る台車の運動と記録タイマーの問題です。
学校の授業で実験を行っていると思いますので、その内容を思い出しながら解き進めましょう。

①は、斜面上の台車にはたらく力の分解の問題です。
斜面上の台車には、重力と斜面からの垂直抗力がはたらきます。

重力は地球の中心に向かって、垂直抗力は斜面に対して垂直にはたらきます。

②は、台車の平均の速さの計算です。
速さは、道のり÷時間で計算しましょう。

問題文を見ると、台車の平均の速さについて、何cm/sであるかと記載されています。
この時、必ず単位に注目しましょう。

回答すべき単位から、道のりの単位はcm、時間の単位はs、つまり秒です。
したがって、計算は下記のようになります。

また、1秒に50回打点する記録タイマーの点を5打点ごとに区切っているため、テープ1枚あたり0.1秒であることが分かります。

速さ [ cm/s ] = 22.5 [ cm ] ÷ 0.3 [ s ]
速さ [ cm/s ] = 75 [ cm/s ]

③は、台車が水平な床に到達した区間を予測する記述問題です。

図16を見ると、テープ1〜4の区画では一定の増え方をしているが、テープ5からその増え方が小さくなり、テープ6以降は変化がないことから、テープ5の区画で水平な床に到達したことが読み取れます。

(3) 解答と解答例と配点

①:エ
②:75 cm/s
③区画:5
③理由:斜面では速さの増え方が一定だが、水平な床に到達してから速さの増え方が減っているから。

大問6 総括

2024年度の理科の大問6は、物理分野から仕事の単元からの出題となりました。

問題全体で、問題文が長く、図も多く、それに加えて動滑車と定滑車が混ざった問題ということで一見難しい問題に見えてしまった方もいたのではないでしょうか。

しかしながら、一つずつ問題を解いていくと、ほとんどの問題が教科書に掲載されているものであることが分かります。

他の単元と同様、まずは基礎知識から押さえて、それぞれの原理について理解しながら勉強をしておきましょう。

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