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大問2 日本地理(配点12点)
(1) 中部地方の山脈
(1)は、中部地方にある山脈の名称を答える知識問題です。
世界の陸地に占める山地の面積が約25%であるのに対して、日本は75%と山がちな地形しています。
日本の本州の中央部には、飛騨山脈や木曽山脈、赤石山脈といった3000 m級の山々からなる日本アルプスがあります。
(1) 解答
日本アルプス
(2) 中部地方の気候
(2)は、中部地方の各地域の気候の雨温図を選択する問題です。
中部地方は、太平洋側の気候の東海、内陸の気候の中央高地、日本海側の気候の北陸の3つの地域に分けることができます。
3つの地域の気候の特徴をまとめます。
- 東海:夏に降水量が多く、冬は比較的温暖な気候。
- 中央高地:海から離れた内陸で標高が高い地域が多く、夏と冬、朝と夜との寒暖差が大きい。
- 北陸:冬に北西から湿った冷たい季節風が吹くため、雪が非常に多く、冬の降水量が大きい。
上記の特徴から、地図1中のaの地域の雨温図はイ、地図1中のbの地域の雨温図はウ、地図1中のcの地域の雨温図はアということが分かります。
中部地方の各地方の雨温図は教科書にも掲載されていますので、しっかりと確認しておきましょう。
(2) 解答
ア
(3) 地形図
(3)は、地形図を読み取る選択問題です。
地形図から読み取れる適切な文を2つ選ぶ、というところを見逃さないようにしましょう。
Xの付近には、針葉樹林が多く見受けられ、郵便局の付近よりも建物がまばらであることが読み取れます。
また、Xの付近には、等高線とそれに沿った二重線の道路が見て取れます。
ちなみに、一般的に地形図は上を北にして作成されるためアは適切ではありません。
また、老人ホームの付近の等高線の数値が大きく、老人ホームから離れるほど低くなっていることが読み取れるので、イも適切ではありません。
Xの付近には、広葉樹林ではなく、針葉樹林が広がっており、エも適切ではありません。
代表的な地図記号は暗記しておきましょう。
(3) 解答
ウ , オ
(4) 四大公害病
(4)は、四大公害病についての選択問題とその公害が起きた県名を答える問題です。
Cは、富山県です。
富山県では、神通川流域で四大公害病の一つのイタイイタイ病が問題となりました。
イタイイタイ病は、患者が「イタイ、イタイ」と泣き叫ぶことからこの名が付いたと言われています。
この病気は、大正時代頃から発生していて、神岡鉱山(岐阜県飛騨市)から排出されたカドミウムが神通川の水や流域を汚染し、この川水や汚染された農地に実った米などを通じて体内に入ることで引き起こされました。
(4) 解答
記号:イ
県名:富山
(5) 中部地方の工業製品
(5)は、中部地方の各県の工業出荷額とその内訳から対象の県を判断する選択問題です。
ちなみに、Aは新潟県、Bは長野県、Cは富山県、Dは岐阜県です。
選択肢アは、他の県よりも電子部品の出荷額が大きいことが分かります。
長野県の諏訪盆地では、製糸業が昭和に入って衰退した後、その技術を活かして機械工業が盛んになりました。
戦後は、精密機械工業が発達、1980年代には高速道路が整備されたことをきっかけに電子部品やプリンタ、産業用ロボットなどの電気機械工業が盛んになりました。
したがって、選択肢アはBの長野県です。
選択肢イは、輸送用機械の出荷額が大きいことが分かります。
中部地方で、輸送用機械の出荷額が最も大きいのは愛知県で、その次が静岡県、そして3番目が岐阜県です。
名古屋を中心とした愛知県、三重県、岐阜県に広がる工業地帯を中京工業地帯と呼びます。
中京工業地帯では、伝統的な繊維産業・窯業を中心とする軽工業や、豊田・刈谷を中心とした自動車工業、四日市に石油化学工業などの重化学工業が発達しています。
したがって、選択肢イはDの岐阜県です。
選択肢ウは、食料品の出荷額が大きいことが分かります。
中部地方で、食料品の出荷額が最も大きいのは新潟県だけです。
北陸の農業の特徴は、稲作の割合が非常に高いことです。
特に新潟県では、米菓の出荷額が大きく、日本全体の55%程度を占めます。
したがって、選択肢ウはAの新潟県です。
選択肢エは、化学工業の出荷額が大きいことが分かります。
富山県では、住宅用アルミサッシの出荷が多く、化学工業の割合が高いです。
したがって、選択肢エはCの富山県です。
中部地方の各県の工業出荷額の内訳について、参考ページを共有しますので、よければ確認してみてください。
(5) 解答
ウ
(6) 中部地方の農業
(6)は、中部地方の稲作についてのグラフから読み取る記述問題が2問と栽培方法についての知識問題が1問です。
aは、グラフ3から読み取ることを説明する記述問題です。
グラフ3は、日本の米の自給率と収穫量の年代ごとによる推移です。
米の自給率はどの年代でも一定であるのに対して、収穫量が低下していることが読み取れます。
収穫量が減っていても自給率に変化がないことから、日本での米の消費量が減少していることが読み取れます。
したがって、米の消費量に合わせて、水稲の作付面積も減っていると考えられます。
この内容を簡潔にまとめましょう。
b①は、施設園芸での作物の生育時期を調整する栽培方法ついての知識問題です。
施設園芸の施設を利用して、出荷時期を早める工夫をした栽培方法を促成栽培、人工的な光で作物の生育を遅らせる栽培方法を抑制栽培と言います。
出荷時期を調整することで、野菜の旬など関係なくいつでもその作物が収穫できるため、市場単価が高い時期に合わせて出荷することができて利益が見込めます。
b②は、施設園芸の経営上のデメリットについての記述問題です。
施設園芸とは、ガラス温室やビニールハウス内で作物を育てる栽培方法のことです。
施設園芸では、人工的に光を発生させて作物に当てたり、電気を使ってファンを回して施設内の環境を整えたり、作物の生育に必要な二酸化炭素を人工的に発生させたりしています。
こういった施設園芸の環境整備には、どうしても電気が必要になるため、光熱費がかかってしまい、その燃料の価格の影響を受けやすいことがデメリットとして挙げられます。
(6) 解答
a:国内の米の消費量が低下しており、それに伴って水稲の作付面積も減少している。
b①:促成栽培
b②:施設園芸は、露路栽培よりも動力光熱費の割合が高く、燃料の価格の変動に影響されやすい点。
大問2 総括
2024年度の社会の大問2は、例年通り日本地理の問題でした。
特に、静岡県のある中部地方が出題されたこともあり、知っている情報が多い方もいたのではないでしょうか。
いずれの問題も教科書に記載がある内容からの出題であり、日本地理についても基本的な知識対策の重要性を改めて感じる内容でした。
地図やグラフ、図や表、資料などが掲載されていて、その内容を正確に読み取って、設問に沿う回答を記述する力が求められました。
また、それらの資料から読み取れる情報を考察して、正解を導く力も必要な問題も出題されました。
基本の知識問題対策だけではなく、その地域がどのように発達してきたかといった歴史的な視点を持ちながら、各地域の特徴について学んでおきましょう。
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